親や兄弟からの借金の肩代わり要請。多くの人が直面する重大な問題です。「家族だから」という情に流されて、つい引き受けてしまいそうになりますが、安易に応じてしまうと思わぬトラブルに巻き込まれかねません。
今回は、身内からの借金肩代わりについて、その危険性と適切な対応を赤裸々に語っていきましょう。経済環境が厳しさを増す中で、こうした相談は確実に増加傾向にあります。安易な判断が招く地獄のような状況を避けるため、具体的な対象をご紹介します。


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借金の肩代わりとは?法的リスクを知っておこう
誰かの借金を代わって返済することは一見美談に聞こえるかもしれません。しかし、その先には税務上や法律上のさまざまなリスクが潜んでいます。
肩代わりは一時的な解決策に見えて、実は長期的な問題を引き起こす原因になりかねません。知らないうちに損をしないよう、押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

肩代わりすると贈与とみなされる可能性あり
国税庁の見解では、他人の借金を肩代わりした場合、その金額は「みなし贈与」として贈与税の対象となることが一般的です。
注意ポイント
税務署からすれば「返してもらう予定のない金銭を渡したのだから贈与だ」という理屈です。借りた側に返済能力がないケースが多く、実質的に贈与と変わらないと判断されやすいでしょう。
贈与税の計算方法も意外と複雑です。基礎控除110万円を超えた部分に10%から55%の累進課税が適用されます。1000万円の借金を肩代わりした場合、最大で200万円以上の贈与税が課される可能性も出てきます。
親族でも原則として返済義務はない
民法上、親子や兄弟といった身内関係があるだけでは借金の返済義務は一切発生しません。「家族なんだから助けるのが当たり前」という考えは通用しないのです。
借金は原則として借りた本人が返済する責任を負います。親が作った借金を子供が返さなければいけない法的根拠はどこにもありません。
むしろ近年では高齢者の借金を子供が肩代わりさせられるケースが社会問題化しています。消費者金融やクレジット会社が違法な取り立てで家族に支払いを迫るケースもあり、注意が必要です。
例外的に返済義務が生じるケース
保証人や連帯保証人として契約書にサインしていた場合は、返済義務が発生する場合もあります。保証人になると、借りた本人が返せなくなった時点で、代わりに全額返済する義務が生じるのです。連帯保証人なら借りた本人と同等の責任を負うことになり、いきなり返済を求められるケースも考えられるでしょう。
また、相続で亡くなった人の借金を引き継ぐケースもあります。相続の場合は、民法で定められた相続放棄を活用すれば、借金を引き継がずに済みます。相続放棄の手続きの期限は3ヶ月と短いため、早めの対応が必要です。
借金について司法書士に0円で相談してみる>借金の肩代わりを上手に断る方法
親しい身内から肩代わりを頼まれたら、つい心が揺らいでしまいそうになる気持ちも分かります。でも、ここで安易に引き受けてしまうことは、自分も相手も不幸にする最悪の選択かもしれません。
ここで大切なのは、「情に流されない冷静な対応」です。相手の苦しい胸の内に理解を示しながら、なぜ肩代わりができないのか、理由を丁寧に説明する必要があります。一時的に解決したとしても、より一層苦しめる結果になるかもしれません。お互いの未来のために、上手に「NO」という方法を説明しましょう。

法的根拠を示して断る
民法では親族間でも借金の返済義務がないと定められています。法律の条文を示しながら「申し訳ないけど法的に無理なんです」と説明すれば、感情的な反論を防げます。
感情論で押されそうになったら「弁護士に確認したところ、親族でも支払い義務はないと助言されました」と伝えるのも有効です。法律という客観的な根拠があれば、相手も理解せざるを得ません。
強引な要求が続く場合は「違法な取り立てにあたる可能性があります」と注意を促してみるのも一つの手です。それでも要求が収まらない時は、はっきりと「弁護士に相談します」と伝えましょう。
相手の気持ちに配慮しつつ断る
借金で困っている人の気持ちは痛いほど分かります。でも共倒れになっては本末転倒です。「気持ちは分かるけど私にも生活があって難しい」と率直に伝えましょう。
決して上から目線にならず、相手の立場に立って話を聞きます。その上で「私も生活が精一杯で、他人の借金を背負う余裕がありません」と、自分の状況を説明するのが効果的です。
住宅ローンや子供の教育費など、具体的な支出を説明するのも一案です。「家のローンがいくらで何年残っていて、子供の学費も控えているので、申し訳ないけど無理です」といった説明なら、相手も納得しやすいでしょう。
専門家に相談するよう促す
「借金の肩代わりはできない」とただ言うだけでは、心苦しいと感じる人も多いでしょう。そこで、「肩代わりをする余裕はありません。でも、一緒に専門家に相談に行きましょう」と提案すれば、相手も「一緒に解決策を探ってくれる」という安心感を得られるはずです。
多くの法律事務所では、初回相談を無料で受け付けており、債務整理を通じて返済額を大幅に減額できる可能性もあります。断るだけでなく、解決策を提案することは非常に重要です。
専門家の力を借りるというアドバイスは、相手を救う第一歩になるかもしれません。決して一人で抱え込まず、法的な解決策を探ることが最も建設的な対応といえるでしょう。

合法的に支援する方法はある?
身内を助けたいという思いは自然なことです。ただし、借金の肩代わりという形ではなく、より安全で適切な支援方法を考える必要があります。
「合法的な支援」として検討できる選択肢をご紹介しましょう。ただし、慎重な対応が必要です。

一時的な立替払いとして対応する
贈与税の問題を回避するためには、返済を前提とした立て替え払いという方法をとりましょう。その場合は必ず書面での契約書作成と返済記録の保管が必須条件です。
毎月の返済予定額と期間を明確にすることが大切です。無理のない返済額と期間を設定することで、毎月の安定した返済が期待できます。万が一、途中で返済が滞ってしまえば、「実質的な贈与ではないか」という厳しい目を向けられかねません。
返済能力を超える金額は思わぬトラブルに発展する可能性があります。将来の自分の生活に支障が出ない範囲での支援が、結果的にお互いにとってベストな選択となるのです。
契約書の作成と返済記録を残す
貸し借りの実態を明確にするためには、契約書の作成は必須です。契約書には、貸付金額、返済方法、利息の有無などを明記しましょう。
毎月の返済があった場合は、必ず記録しておきましょう。領収書の発行や通帳への記帳など、後から確認できる形で残しておくことが重要です。
契約書のひな型はインターネットでも手に入りますが、できれば司法書士に相談して作成するのが安全です。特に金額が大きい場合は、専門家のチェックを受けることをおすすめします。
債務整理を提案する
借金を根本から解決できる可能性がある「債務整理」を提案するのも一つの方法です。
ポイント
これなら、自分の生活も相手の将来も、両方守ることができます。「一緒に債務整理の相談に行きませんか?」と提案すれば、大きな希望を見出せるはずです。
肩代わりした借金が返せない!その時の対処法
すでに借金の肩代わりをしてしまい、返済に行き詰っているケースも珍しくありません。でも、諦める必要はありません。
ここからは、すでに肩代わりをしてしまい、返済に苦しんでいる人のために具体的な解決方法をお伝えします。
債務整理を検討する
既に肩代わりした借金の返済に苦しんでいる場合は、法的な債務整理という方法がおすすめです。
「任意整理」なら、弁護士や司法書士が債権者と交渉し、利息のカットや毎月の返済額の減額の調整を図ります。専門家が介入することで取り立てがストップし、取り立ての電話に悩まされることもなくなります。
「個人再生」は、返済額を減額しながら、マイホームなど重要な財産を手放さずに済む制度です。借金を最大で10分の1まで減額できます。住宅ローンがある人には、特におすすめです。
「自己破産」という選択肢もあります。信用情報に傷がつくというデメリットはありますが、借金を実質的にゼロにできる可能性があります。破産管財人による財産調査があり、手持ちの現金や貴金属なども処分対象になる可能性があることは覚えておきましょう。
債務整理は借金問題を解決する為の有効な手段ですが、メリットとデメリットがあります。個々の状況に応じて適切な選択をすることが重要です。
弁護士・認定司法書士へ相談する
債務整理の経験が豊富な弁護士や認定司法書士なら、最適な解決方法を提案してくれます。借金の整理には法律の専門知識が必要です。一人で抱え込まず、まずは専門家に相談することから始めましょう。
費用面で心配な方も、相談にも応じてもらえます。
安心ポイント
借金問題は早めの対応が肝心です。悩む前に専門家の門を叩きましょう。
返済計画の見直しをする
無理のない返済計画を立て直すことで、長期的な解決につながります。収入と支出を見直し、返済できる金額を算出しましょう。
毎月の生活費を最低限に抑え、浮いたお金を返済に回す工夫も必要です。コスト削減の余地がないか、家計の見直しから始めてみましょう。
固定費の見直しも重要です。携帯電話の契約変更や光熱費の節約、保険の見直しなど、地道な努力の積み重ねが大きな節約につながります。

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まとめ
借金の肩代わりは法的リスクも高く、安易に応じるべきではありません。肩代わりで悩んでいる人は、一人で抱え込まず専門家に相談することをおすすめします。
当サイトでは借金問題に強い司法書士事務所や弁護士事務所を紹介しています。まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

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