闇金からお金を借りている方の中には、「踏み倒しても問題ないのでは?」と考える方が多くいます。しかし、闇金を踏み倒すのは非常に危険です。
今回は、闇金を踏み倒した方の体験談をもとに、実際にどのようなことが起こるのかを詳しく解説します。また、闇金の正しい対処法もまとめました。闇金問題に悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
本来、闇金(ソフト・LINE闇金を含む)は貸金業法・出資法における刑罰の対象となりますが、捕まえづらく犯罪の線引きがつきにくいことから、警察は動いてくれる可能性が低いといえます!
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【失敗談】闇金を踏み倒してみたけど質問ある?
まず、実際に闇金から金を借りた上に踏み倒しを図った、ある男性の体験談を質問形式で紹介していきます。
なお、個人が特定できないように、多少の再構成を加えています。
Q:なぜ踏み倒してしまったのですか?
そりゃ、金がなかったからだよ。
いろんなところから借金してたら、どこへ行っても「もう金は貸せません」って言われるようになって、それでも金がないから、「どんな人にもご融資できます」っていう広告を出してるところの業者のケータイに電話して、20万ほど借りたんだけど、返せるあてなんて最初っからなかったよ。
注意ポイント
たとえ相手が違法業者であっても、はじめから返済をするつもりのない借金は詐欺罪が成立するため、絶対にやめましょう
Q:どのように踏み倒しましたか?
まずは、スマホにバカみたいに電話がかかってきたよ。最初は業者の窓口にいたねーちゃんからだったけど、しまいに、おっかねえおっさんが電話かけてくるようになって。
どうせ金も返せねえし、めんどくさくなって電話もずっと無視していたら、ある日、俺の住んでるアパートに、いかついおっさんが何人もやってきて、ドアをドンドン叩きまくるんだよ、で「いるのはわかってんだ、借りた金はちゃんと返せや」「詐欺罪で訴えるぞ」とか怒鳴りまくってるんだ。
怖くなったから、警察呼んで、でも警察も何もしてくれないし、だったらいっそ逃げちゃおうかと思って、やつらがいなくなったタイミングで、スマホと財布と着替えとか適当にカバンに入れて、その町から逃げちゃった。
注意ポイント
Q:逃げきれましたか?
逃げてからは、ネカフェとか転々として、日雇いのバイトとかやってなんとか暮らしてたんだけど、やっぱりもうちょっと落ち着いて生活したいな、と思って。
で、ある町が気に入ったからそこで仕事を探していたら、なんか役所の書類が必要だとか言われて、それで役所に行ったりしてたんだよね。
そしたらある日、歩いてたら、前にうちに押しかけてきたおっかないおっさんたちに急に囲まれて、車に押し込まれてさ。なんか、警察に捜索願とかまで出して探してたっぽい。
Q:最終的にどうなりましたか?
連れて行かれた先で、殴られたりはしなかったけど、でかい声でさんざん脅されて、で、結局、俺を探すのにかかった費用みたいなの上乗せされて、さらに借金が増えちまった。
いや、金はねえけど、少しでも返さねえとまたあんな目に合うのはいやだから、返し続けてるよ、利子がひどくてちっとも終わらねえけどさ。
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【注意】闇金を踏み倒したときのリスク
闇金を踏み倒すと、どのようなリスクが生じるのでしょう。ここからは、注意すべき踏み倒しのリスクを詳しく紹介します。
詐欺罪に問われることもある
闇金からの借金を踏み倒すと、詐欺罪に問われる可能性もあるので注意が必要です。返すつもりがなくお金を借りた場合は、刑法によって「詐欺」とみなされる場合があります。
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
引用:刑法
たとえ相手が違法行為をしている闇金であっても、返すつもりがない借金をすることは絶対にやめましょう。
取り立てや嫌がらせがエスカレートする
闇金からの借金を踏み倒すと、取り立てや嫌がらせがエスカレートする場合もあります。
闇金業者は債務者の個人情報を知っています。職場や自宅の住所を知られているため、踏み倒す際の影響を深く考えないといけません。
取り立てや嫌がらせの例は以下の通りです。
- さらに法外な金利で利息を請求してくる
- 昼夜問わず電話がかかってくる
- ネット上に個人情報を拡散される
- 家族や職場などにも被害が及ぶ
- 出前や着払い商品が大量に届く
闇金は貸金業者としての登録を行わず法外な金利を請求する悪徳業者のため、上記以外にも悪質な嫌がらせや取り立てをする可能性があります。
闇金との取引は、踏み倒すリスクを把握し、慎重な対応が必要といえます。
闇金トラブルへの正しい対処法
上で述べたように、闇金を踏み倒したところで、何の解決にもなりません。逆に状況を悪化させるケースも多くあり、自分一人で対応するのは非常に危険です。
そこで、以下では闇金の正しい対処法について詳しく解説します。
警察に相談する
闇金問題については民事不介入の原則から、基本的に警察は動いてくれません。しかし、暴力や器物損壊などがあり、緊急を要する場合には警察に相談しましょう。
あまりにも酷い嫌がらせを受けている場合や器物損壊、暴力などがある場合は、刑法に違反するため警察も動くはずです。ただし、根本的な解決に至らないことは頭に入れておきましょう。
証拠を取っておく
闇金問題を解決するためには、証拠を集めることも重要です。闇金への対処を行うためにも、用意できる限りの「闇金トラブルに遭った証拠」を取っておきましょう。
集めた証拠は、弁護士や司法書士に闇金対応をお願いしたり、警察で被害届を提出したりする際に活躍します。闇金トラブルに遭った証拠として使える資料やデータは以下の通りです
- 取引で使用した銀行口座の通帳
- 振込や預入の控え
- 金銭のやりとりが分かるメールやLINE
- 暴力や嫌がらせを受けている最中の録音や録画データ
証拠があると弁護士や司法書士、警察がより有利に動ける場合もあります。可能な限り証拠を確保しておきましょう。
弁護士・司法書士に相談する
闇金問題の解決方法として、最もおすすめなのが弁護士・司法書士への相談です。弁護士や司法書士は法律のプロなので、法的な観点から闇金と戦ってくれます。
闇金問題を得意としている弁護士や司法書士であれば、トラブルを解決するための流れを熟知しており、迅速に対応してくれるでしょう。また、闇金との交渉を代行してくれるため、自分で直接やり取りをする必要もなくなり、精神的な負担が軽減します。
ポイント
弁護士や司法書士が同行することで、警察が被害届を受理してくれることもあります。闇金問題は自分で対処しようとせず、プロである弁護士や司法書士を頼りましょう。
闇金は借り逃げや踏み倒しをしてもいいと言われる法的根拠
闇金は、返済しなくても問題ないとされていますが、これには法的根拠があります。ただし、むやみに借り逃げや踏み倒しをするのは危険です。
ここでは、返済しなくても良いとされている理由を解説します。
貸金業としての登録を行なっていない
闇金とは、違法金融業者のことであり、金融庁への登録は行なっていません。つまり貸金業法に則った正規の業者ではない、ということです。
貸金業者からお金を借りる場合は、金融庁登録の正規業者か否かを確認しましょう。以下のサイトから登録業者を確認できます。
法律違反の金利で融資している
金利については、利息制限法によって以下のように定められています。
第一条 金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分引用:利息制限法
年利15~20%以上の利息でお金を貸している場合は、貸金業法違反です。つまり、トゴ(10日で5割)などでお金を貸している闇金は、法律違反の金利で融資していることになります。
取立て方法も違法
貸金業法では、金利だけでなく、取り立て方法のルールも定められています。
ポイント
例えば、正当な理由がなければ、午前8時から午後9時以外の時間帯は、債務者へ連絡したり、自宅に訪問したりすることを禁じられています。
闇金の連絡や訪問はこれらのルールも一切無視して行われるため、昼夜関わらず連絡が来たり、自宅に訪問してきたりします。
最高裁の判例が出ている
ポイント
これが重要なポイントですが、民法第708条に「不法な原因で給付(貸付)を行なった者は給付物(貸付金)の返還請求ができない不法原因給付(クリーンハンズの原則)」というものがあります。
上述のように、違法な貸金業者がルールを逸脱した貸付を行なっていた場合、この法則に基づき、「返済する必要がない」と判断できるわけです。実際に、最高裁でも返済の必要がないとの判例が出ています。
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引用:最高裁判所平成 20 年 6 月 10 日判決の概要
まとめ
今回は、闇金を踏み倒した方の体験談をもとに、踏み倒すことの危険性や正しい対処法を紹介しました。闇金問題は、自分だけで解決しようとすると事態が悪化します。
根本的な解決を望んでいる場合は、弁護士・司法書士への相談がおすすめです。弁護士や司法書士は法律のプロであり、法的根拠をもとに闇金と戦ってくれます。闇金トラブルにお悩みの方は、ぜひ一度相談してみましょう。
ポイント
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闇金業者への返済に困っているのであれば、ぜひ無料相談を活用してみてください。
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2023年09月08日 監修者
所属 | グリーン司法書士法人 | |
氏名 | 山田 愼一司法書士 | |
登録番号 | 東京司法書士会 第8849号 | |
専門 | 債務整理,遺言・相続手続,成年後見 | |
URL | https://green-osaka.com/ |